歯周組織再生療法

過度な期待はできませんが、試すだけの価値は十分あります。

歯周病は、歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまいます。
このとき、楔状に垂直方向に向かって進行する骨吸収に対しては、
歯周組織再生療法がファーストチョイスとなりうるといえます。

この療法は、自然な歯をいわば「延命」させるため、骨の再生を促すものです。もちろん外科治療となるため十分な診査と患者さまの理解が必要になります。現時点では歯周治療における歯周組織再生療法は世界最大のトピックスといってもいいでしょう。

このオペは、当院の手がけるさまざまな術式の中では決して難しいものではありませんが、再生できるのは中等度の歯周病までと考えておいた方がよいでしょう。
また患者様によって再生程度に個体差が大きく、歯周病による汚染が長いほど再生しにくくなります。そのため重度歯周病での再生療法となると、いわばチャレンジケースであり過度な期待は禁物です。

またオペにあたっては、事前に歯科衛生士による徹底的なクリーニングができていることが成功率を大きく左右します。

歯周組織再生療法の流れ

1

検査・問診

まずは患者様の歯周組織がどのような状況か、詳しく検査を行います。歯周組織再生療法には複数の選択肢がありますが、どの方法が適切かを診断します。
また、かかっている病気や既往症、服用されているお薬などについてもお尋ねします。一見歯と関係のないことと思われるかもしれませんが、重要ですのでご教示ください。重度の糖尿病や骨粗鬆症をお持ちの患者様には適用できないこともあります。

2

歯周外科手術

麻酔の上で、再生療法を施す部位の歯肉を切開しますので痛みはありません。歯肉を剥離させて歯の根の部分を露出し、徹底的なクリーニングにより感染組織を除去します。その上でエムドゲインなどの歯周組織再生誘導材料を用いて再生療法を行い、歯肉を縫合すればオペは終了です。必要なケースでは、骨の欠損部に骨補填材料を用いることもあります。 抜糸までには1~2週間必要です。

3

手術後

手術後のブラッシングなどは、医師の指示に従うようにしてください。また指や舌で施術部位を触らないようご注意ください。
外科手術で最も気を付けなければならないのは、感染コントロールです。術後2~4週間は消毒薬によるうがいを行い、口腔内の洗浄につとめてください。
術後、抗生剤と鎮痛剤を処方いたします。医師の指示に従っての服用をお願いいたします。
また定期的に検査とメンテナンスのためご来院いただきます。再生には個人差がありますので、スケジュールは患者様によって異なります。

歯周組織再生療法の注意事項

歯周組織再生療法は、基本的に自費診療です。
そして骨が完全に再生できる、というものではありません。
また再生したからといって、それを必ず保てるというものでもありません。
通常再生に要する期間は、数カ月~1年ほどかかります。
手術後も疾患の再発と隣り合わせであることは変わりませんので、定期的にメンテナンスを受診していただける方にだけ、当院は再生療法を行います。

以前と比較して、近年の再生医学は大きく進歩しています。 ケースが適切であれば、期待通りの再生を導くことができるようになったもことも事実です。
ただし、喫煙習慣のある方は、基本的に施術をお断りしております。喫煙によって血液循環に支障が出るため、きちんとした再生が望めないためです。
重度の糖尿病や骨粗鬆症の方などにも適応できませんので、必ず事前の問診で申し出てください。

代表的な歯周組織再生療法

1.GTR法

GTR法は、メンブレンとよばれる膜を、骨を再生させたい場所に置くというものです。骨の自己再生には時間がかかるため、骨が再生するよりも早くに、上皮が空いたスペースに入り込んでしまいます。GTR膜はその侵入を防いで、骨のみが再生するスペースを確保します。現在では吸収性のメンブレンを使用するため、膜の除去手術はしなくてよくなりました。

2.エムドゲイン法

エムドゲイン法は、歯周組織を再生誘導する薬剤を塗ることで、歯の発生するときの環境を擬似的に再現するものです。
具体的には歯肉を切開してきれいに掃除した上で「エムドゲイン・ゲル」という薬剤を注入します。この成分自体は人体に無害で、厚生労働省にも認可された安全なものであり、次第に体内に吸収されます。そのため骨が再生されたからといって、薬剤を除去する必要はありません。

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